初めてアパレルOEMを依頼するとき、「何型作るか」だけを決めても、工場は正確な見積もりを出しにくいことがあります。実際の発注では、型数だけでなく、色・サイズ・数量を掛け合わせたSKUまで整理する必要があるからです。この記事では、初回OEMの型数とSKUを、EC・POPUP・卸売などの売場テスト単位から逆算し、発注表に落とす考え方を解説します。
初回OEMで混乱しやすい「型数」と「SKU」の違い
型数とは、デザインやパターンが異なる商品の数です。たとえばTシャツ1型、パンツ1型、ワンピース1型なら3型です。一方、SKUはその商品を販売・在庫管理するための細かい単位で、同じTシャツでも白/S、白/M、黒/S、黒/Mのように色とサイズが分かれれば、それぞれ別SKUになります。
初回OEMでよくある失敗は、「2型だけだから少ない」と思っていても、色とサイズを増やしすぎて、実際にはSKUが大きく膨らむことです。2型×3色×4サイズなら、合計24SKUになります。各SKUに少量ずつ配分すると、売れ筋の検証がしにくく、逆に各SKUへ十分な数量を入れると初回在庫が重くなります。
| 項目 | 意味 | 初回OEMで確認すること |
|---|---|---|
| 型数 | デザイン・パターンの種類 | 最初に何商品をテストするか |
| 色数 | 同じ型で展開するカラー | 主力色とテスト色を分ける |
| サイズ数 | S/M/L、90/100/110などの展開 | 販売対象に合う中心サイズを決める |
| SKU数 | 型数×色数×サイズ数の管理単位 | 初回で管理できる数に抑える |
| 発注数量 | 各SKUに入れる枚数 | 売場別に主力SKUと観察SKUを分ける |
まず「売場テスト単位」を決める
初回OEMでは、いきなり全カラー・全サイズをそろえるより、どこで何を試すのかを先に決めるほうが現実的です。ここでいう売場テスト単位とは、ECの商品ページ、SNS広告、POPUPのラック、卸先への提案セットなど、販売結果を見たい最小の単位です。
たとえばECで1つの商品ページを作るなら、写真映えする主力カラーと、実際に売りたい中心サイズが必要です。POPUPなら、見た目の幅を出すために色数を少し持たせる一方、サイズは売れ筋に寄せる判断もあります。親子シリーズや小ロットブランドの場合は、親子コーデブランドを小ロットで始める考え方のように、最初からSKUを増やしすぎない企画設計が重要です。
SKU数は「型数×色数×サイズ数」で見る
SKU数は、複雑な計算ではありません。基本は、型数、色数、サイズ数を掛け合わせて考えます。ただし、すべての型で同じ色数・同じサイズ数にする必要はありません。主力商品は少し厚めに、テスト商品は絞って始めるほうが、初回の結果を読みやすくなります。
- 主力型:ブランドの顔になる商品。色とサイズを最低限そろえ、販売反応を見る。
- テスト型:反応を見たい新しい形。色数・サイズ数を絞る。
- 観察SKU:売れるか不明だが確認したい色やサイズ。数量を控えめにする。
- 追加候補:初回では作らず、販売後の追加生産候補として残す。
初回OEM用SKU設計表
以下の表は、初回相談前に整理しておきたい基本項目です。すべてを完璧に埋める必要はありませんが、この形で共有できると、工場側は見積もり、サンプル、素材手配、加工確認を進めやすくなります。
| 売場テスト単位 | 型 | 色 | サイズ | 数量 | 目的 |
|---|---|---|---|---|---|
| EC主力ページ | 半袖Tシャツ | 白・黒 | S/M/L | 各10〜20枚 | 基本色の反応を見る |
| SNS広告テスト | ロゴTシャツ | チャコール | M/L | 各10枚 | 新色の反応を見る |
| POPUP | シャツ | ブルー・生成り | M/L | 各5〜10枚 | 陳列と試着反応を見る |
| 卸先提案 | パンツ | 黒 | S/M/L | 各5枚 | 定番化できるか確認 |
この表のポイントは、数量を均等にしないことです。初回は「全SKUを同じ枚数で作る」より、売場の目的に合わせて、主力SKUと観察SKUを分けたほうが判断しやすくなります。
色とサイズは平均配分しない
初回発注で色とサイズを平均配分すると、見た目は公平ですが、実際の販売テストとしては弱くなることがあります。白・黒・ネイビーのような定番色と、ブランドらしさを出す差し色では役割が違います。S/M/Lを同じ数量にする場合も、ターゲットや商品シルエットによってはMだけ先に欠品し、他サイズが残ることがあります。
特に子供服や親子服のようにサイズ体系が複雑な商品では、年齢だけで配分を決めるとズレが出ます。子供向け商品のサイズ設計については、子供服OEMのサイズ展開を仕様書に落とす考え方も参考になります。
SKU表は見積もり精度にも影響する
工場への相談では、型数だけでなくSKU構成が分かると、見積もりの精度が上がります。なぜなら、色数が増えれば生地や染色の確認が増え、サイズ数が増えればグレーディングや検品の確認点が増え、加工が入ればプリント版や刺繍データの管理も必要になるからです。
費用を考えるときは、1枚単価だけでなく、サンプル費、型紙、加工、付属品、検品、輸送まで含めて見る必要があります。具体的な費用項目はアパレルOEMの費用ページでも整理していますが、初回相談ではまずSKU表を用意すると、どこにコストがかかるかを話しやすくなります。
サンプルは全SKUで作るべきか
初回から全SKUのサンプルを作る必要はありません。多くの場合、まずは代表型、代表色、中心サイズで確認し、必要に応じて色差、サイズ差、加工差を追加確認します。ただし、素材や加工が大きく違うSKUは、代表サンプルだけでは判断できないことがあります。
そのため、素材や加工ごとの確認ポイントを踏まえて、どのSKUを先にサンプル化するかを決めることが大切です。Shingeでは、中国山東省青島の生産背景を活かしながら、小ロットの試作、素材確認、二次加工、検品まで日本市場向けの品質基準で進めます。初回発注前に不安がある場合は、サンプル製作サービスを使い、SKU表をもとにどのサンプルを先に作るべきか相談できます。
工場に共有したい発注前チェックリスト
- 販売したい入口:EC、POPUP、卸、イベント、SNS広告など
- 商品型数:何型を初回テストするか
- 各型の役割:主力型、テスト型、追加候補
- 色数:定番色、ブランド色、観察色
- サイズ:中心サイズ、確認したいサイズ、将来追加したいサイズ
- 数量:SKUごとの希望枚数と優先順位
- 加工:プリント、刺繍、ワッペン、洗い加工、タグ、袋入れ
- 検品:寸法、色差、プリント位置、洗濯後の変化、梱包状態
- 色番・素材品番:生地メーカーの品番や色番を控えておくと、追加生産時の色差確認がしやすくなります
- 優先順位:必ず作りたいSKUと、販売後に追加したいSKUを分けておく
Shingeで相談できること
欣歌服飾(Shinge)は、中国山東省青島に拠点を置くアパレルOEM専門工場です。初回OEMでは、SKU表がまだ完成していない段階でも、販売入口、想定商品、色・サイズの考え方を共有いただければ、どの項目から整理すべきか一緒に確認できます。
サンプル納期は通常7〜10日間、量産納期は25〜35日間が目安です。ただし、素材在庫、仕様確定、加工内容、繁忙期により変動します。特殊な素材の取り寄せや、刺繍・プリントなどの二次加工が多い場合は、上記より余裕を持ったスケジュールをご案内します。小ロットの場合でも、型数とSKUを整理しておくことで、見積もり、サンプル、量産前確認が進めやすくなります。
よくある質問
Q1. 初回OEMでは何型から始めるのがよいですか?
商品や販売方法によりますが、最初は1〜3型に絞り、色数とサイズ数を増やしすぎないほうが検証しやすくなります。重要なのは型数そのものより、各型の目的を分けることです。
Q2. SKU数が多いと何が問題になりますか?
在庫管理、検品、梱包、追加生産の判断が複雑になります。また、各SKUの数量が少なすぎると、売れた理由や売れなかった理由を判断しにくくなります。
Q3. 色数とサイズ数はどちらを優先すべきですか?
まずは販売したいターゲットに必要な中心サイズを確保し、そのうえで主力カラーを決めるのが基本です。ブランド表現のための差し色は、初回では数量を抑えてテストする方法もあります。
Q4. SKU表が未完成でも相談できますか?
はい、相談可能です。販売入口、商品イメージ、希望数量、優先したい色やサイズが分かれば、工場側で確認すべき項目を整理しながら進められます。
Q5. 初回から全色・全サイズのサンプルを作る必要はありますか?
必ずしも必要ではありません。代表型、代表色、中心サイズから確認し、必要に応じて色差、サイズ差、加工差を追加確認します。
Q6. 追加生産を考える場合、SKU表には何を書けばよいですか?
初回で作るSKUと、販売後に追加したい候補SKUを分けて書くと便利です。素材や色が継続できるかも事前に確認しておくと、追加生産時のブレを抑えやすくなります。
初回OEMの型数・色・サイズ配分で迷っている方へ
販売したい入口、商品イメージ、希望する色・サイズ・数量がまだ整理しきれていない段階でもご相談いただけます。SKU表をもとに、サンプル、見積もり、量産前確認まで進めやすい形へ一緒に整理します。

